畜産農家の高齢化が進む中で、飼養管理の労力及び費用の軽減を図り、地域畜産農家の経営安定化に寄与するため、当公社では預託放牧事業を実施しています。
預託期間 | 通年 (11月上旬~翌年5月上旬の冬季間及び放牧牛が少頭数の場合は、郡山石筵ふれあい牧場内の専用牛舎内で舎飼いとなります。※放牧牛用の運動場あり) |
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利用料 | 〇乳用牛 300円 〇肉用牛 270円 ※いずれも1頭あたり1日分の料金です。 ※利用料は1ヶ月単位または1年度単位で前納となります。なお、途中に下牧した場合は、日割り計算で当該日数分を返金いたします。 |
冬季飼料代 | 〇乳用牛 200円 〇肉用牛 200円 ※いずれも1頭あたり1日分の料金です。 ※冬季間の飼料代として11月1日~翌年4月30日の期間徴収いたします。 ※1ヶ月単位で後納となります。 ※飼料の市場価格変動によって、金額が変更する場合があります。 |
繁殖管理 | 当牧場スタッフが日々観察し、人工授精を実施します。なお、人工授精にかかる費用は使用精液の実費のみ徴収いたします(当牧場所有の精液を使用する場合)。当牧場所有以外の精液をご希望の場合は、お持ち込みください。なお、受精卵移植は当牧場では実施しておりませんので、希望される場合はかかりつけの獣医等にご相談ください。 |
預託対象 | 〇市内に住所を有した方が所有又は飼育するものに限ります。 〇概ね生後10ヶ月以上経過し悪癖のない未経産牛の雌牛が対象となります。 |
預託条件 | (1)家畜共済に加入していること(家畜共済保険加入書の写しの提出が必要となります) (2)個体識別のための耳標を両耳に装着していること (3)他牛の安全のため、除角を済ませていること(当牧場では実施しません) (4)家畜保健衛生所で行う放牧前検査に合格した家畜であること(入牧1ヶ月以内に検査したもの) |
実績 | 令和5年度は5頭の預託放牧を実施しました。 |
受付時期 | 放牧開始日の1ヶ月前 |
申込方法 | 育成放牧使用・変更許可申請書に必要事項記入のうえ、当牧場までお申し込みください。 なお、料金は一括又は月毎のいずれかを選択できます。 一括の場合には、預託開始日の1週間前までのお支払いとなります。 月ごとの場合には、月初めの1週間前までのお支払いとなります。 |
当公社では、生乳の生産性、品質向上及び雌牛の出生率向上に向けた取り組みを行っております。
また、この事業による優良子畜受胎雌牛を抽選方式により原価で譲渡しています。
年度 | 判別精液 | 普通精液 |
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令和4年度 | 100%(5頭/5頭) | 66.7%(8頭/12頭) |
令和5年度 | 100%(14頭/14頭) | 25.0%(2頭/8頭) |
対象者 | 郡山市内の畜産農家 ※ただいま募集はありません |
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より高品質な生乳の生産に資するため、良質な粗飼料(牧草等)生産にかかる飼料分析及び生乳の分析調査を行っております。
3号草地で作った1番草サイレージの飼料成分を専門機関に分析依頼
※1号草地2.6ha、2号草地ha、3号草地1.5ha、4号草地1.3ha、5号草地1.2ha、乳牛舎前草地1.5ha、放牧地8ha
成分内容 | 標準値 | 測定値 |
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カルシウム | 0.2~0.4% | 0.38% |
リン | 0.2~0.4% | 0.33% |
マグネシウム | 0.1~0.2% | 0.19% |
カリウム | 1.7~3.5% | 3.33% |
硫黄 | 0.2%以上 | 0.20% |
亜鉛 | 20ppm以上 | 26ppm |
マンガン | 15~300ppm | 31ppm |
鉄 | 20ppm以上 | 83ppm |
費用削減のため、施設で生産される堆肥を全量使用していることから、例年カリウム値が高くなる傾向であったが、カリレスの化成肥料を使用するほか苦土石灰等で PHを調整するなどの土壌改良に努めた結果、昨年度の数値より約1%下がり、値は標準値内となるなど、適正な土壌改良が行われた。
今年度の草種は、オーチャードグラス・チモシーを主体として、アルファルファや白クローバ等のマメ科牧草を混播したほか、新たに嗜好性の高いペレニアルライグラスを混播し、さらなる収量の増加を図った。
適切な水分調整と、乳酸菌を使用し良質な乳酸発酵が行われたこと、マメ科牧草の定着に努めたことなどにより、乾物中の CP(粗蛋白質)値は、昨年度の 11.3%からさらに高値の 12.4%となり、高栄養の粗飼料を生産することができた。
生産乳量が昨年比で増加し、高い乳量でありながら平均で 4%を超える乳脂肪率を保てている要因は、自家生産粗飼料が高栄養であり、かつ嗜好性が良いことで、よく食い込むためと考えられることから、今年度は高品質な粗飼料の生産を行うことができたと考える。
生産量 | 成分 | ||
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脂肪分 | 無脂乳固形分 | 蛋白 | |
157,349kg | 4.11%(平均) | 8.86%(平均) | 3.36%(平均) |
今年度は、高齢の牛を更新したため、経産牛のうち5頭が初産牛となる若い牛群であったが、2~3産の泌乳量がピークを迎えてくる年代の牛の乳量が多かったこともあり、1頭当たりの平均乳量は、前年比で年間約500kg増加した。また、乳脂肪率の平均も上がり、高品質な生乳の生産を保つことができた。
乳量の増加については、乳房炎ワクチンの接種により、乳房炎に罹患する個体が激減したことで、廃棄量が少なくなっていることも要因の一つである。
しかしながら、乳脂肪率については一年を通して高水準ではあるものの、暑熱期は他の時期と比較して値が低くなることから、次年度は牛舎内の暑熱対策として、扇風機にインバーターを設置し、効果的な送風により牛の暑熱ストレス低下を図り、乳脂肪率の減少を少なくしたい。